こんばんは。お盆も過ぎて、そろそろ秋に向かっていく気分。
8/24㈯~31㈯ 木綿着物とカジュアル帯フェア
まもなくです!
メインでご紹介する伊勢木綿については、きのうお話しましたが
今日は、一緒にご紹介する帯のお話。
木綿の着物はもちろん、
紬などのカジュアル着物に合わせたい楽しい帯を色々ご紹介するつもりでおりますが
この度、当店オリジナルの帯・新柄もお披露目予定。
かわいいの出来ましたの。
そして、この、ワタクシ臼杵が描いた図案を、毎年織ってくださっているのが
西陣織・りんどう屋さん
気づけば5年以上のお付き合い、伝統工芸士の佐々木さんです。
今回のフェアでは、このりんどう屋さんから
佐々木さんやお弟子さんがデザインした工房オリジナルの帯も、期間限定で沢山ご紹介します。
楽しみ。
そこであらためて
私から見た西陣織とりんどう屋さんのこと。
私が初めて佐々木さんを訪ねたのは6年前?くらいだったかな
とにかく行くたびに大雨で雷も鳴ったりして
当時織物のことなど何にもわかっていなかった私(今もわかっていない)
自店のオリジナル商品が作れたらいいな、と簡単に考えており
そんな時に縁あってご紹介いただいたのでした。
力織機なんて実際に見た事もなかったし
織っているところも見た事もなかったし
(これ、うちのオリジナル第一号を織っている記念すべき写真!
裏側を見て織るなんてことも、もちろん知らなかった)
はじめて工房を見せてもらった時は
天井高くまで大きな力織機という巨大装置と
ぴーーーーーんと張った経糸が美しかったのが、印象に残っています。
絹糸は、ほんとにキレイ。
それまで、帯は出来上がったものから選んで仕入れることしかなかった自分にとって、実際に織っている職人さんというのは遠い存在。こんな仕事でたびたび京都に行っていても、です。
佐々木さんから聞く伝統産業の現場のリアルな話は、知らないことばかりでした。
もちろんそれもまた、一つの側面なのかもしれないけれど
当時の彼の話で、西陣織の職人の平均年齢は75歳(って言ってたと思う。あれから5年、今は何歳?)。
彼を含む40代、いわゆる若手は非常に少なくて、このままでは近い将来織り手が激減するという事を常に考えていました。それは今でも。
5年前からは毎年1柄、うちのオリジナルの新柄を織ってもらい
その間、色々な事があって
(言わなくてもいいけど、後継者問題についての発言がSNSで炎上したりとか)
こっちが焦るようなこともありましたが
(ほんと気を付けて欲しい)
昨年、前よりも広い工房に引越したりんどう屋さんは
お弟子さんもいて、彼がずっと問題としてきた後継者をつくることに取り組んでいます。
余談ですけど、これ何しているところかと言うと
経糸(たていと)を継いでいるんです。
経糸、次の経糸に継ぐときって、1本1本手で結んでつなぐんですね
この時の作業で経糸3600本、もちろん順番待ちがえたらダメ。
ガシャンガシャンと機織りしか思い浮かびませんが、こんな想像もつかない工程がある。
しかも従来は「この工程だけをやる職人さん」がいたりして
それも高齢化して減っていて
細かな分業で成り立ってきた世界は、本当に継続するのが大変。
ほんの一部分の工程を担う人が欠けるだけで、前後の仕事がつながらなくなる恐ろしさ。
そこを、若いお弟子さんがつないでいきます。
ちなみに西陣織、というと高価で豪華な帯を想像しがちですが
うちのオリジナルの西陣織は、カジュアル向きで現実的なお値段。
もちろん手の込んだ高級品も素晴らしいし必要なものだと思うけれど
わが店が扱う物は、普通の収入の普通のライフスタイルの人が、
手の届くお値段で
使う場面があって
欲しい!とときめくもの、
でありたいと思っています。
今回ご紹介するりんどう屋さんの帯も、
もちろん伝統工芸のちゃんとしたものにして気軽に楽しめるカジュアル帯。
普通のライフスタイルの人が、欲しい!と思うものをつくることを考えてくれています。
逆に言うと
西陣織が今後も産業として続いていくには、そういう物を作らなくてはいけないと考えてくれているようで。
うれしいことです。
どんな帯がやってくるか、楽しみにしていてくださいね。
同世代の職人さんや、若い世代がデザインして、織った帯。
お好きなものが見つかるかも。
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