あらためて、伊勢木綿のこと。

こんにちは、みなさまお盆休みもそろそろ終わり、8月も後半です。

お盆が空けたら秋のはじまり。

先日もお知らせしましたが

8/24㈯~31㈯ 木綿着物とカジュアル帯フェア

気楽に楽しむ木綿の着物を中心に、カジュアルなあれこれ、ご紹介していく秋のスタートです。

 

それでね、この時期いつもご紹介している

伊勢木綿

ここ数年である意味、

カジュアルなキモノというものを私たちにイメージづけるくらい人気者になった織物です。

伊勢木綿というと、このイメージの方も多いはず。

これ2015年春号の【七緒】。

このころは、伊勢木綿と言えばPOPでカラフルなチェックというイメージでした。

そのイメージが強くなりすぎたかな、というのが正直なところ最近の私の気持ち。

だってそれだけじゃないんですもの。

 

いま改めて思う、伊勢木綿の魅力は

「POPで可愛いだけじゃない」、だと思っています。

さかのぼると、これは2008年春号の【七緒】。

紺と茶系の大胆な布団縞!昔ながらの配色、すごく素敵。

 

そもそも。

水はけが良い土壌と、鰯が沢山取れる目の前の海。綿の栽培に適した土地で織られてきた伊勢の木綿は、江戸の昔から庶民の着物でした。その土地で沢山織られてきた伊勢木綿、今は織元が臼井さん1軒しかありません。

私が三重県津市の臼井さんにお邪魔したのは2年前。

伊勢木綿の特徴として、糸があります。

単糸という、あまり撚りのかかっていない糸は、綿に近い状態で、布になって着こんでいったときに、空気を含んでやわらかな風合い。

これを織るためには、「豊田式力織機」という、明治のころの旧式の織機を今も使っています。その後のスピードの速い近代化した織機だと、糸が切れてしまって織れないのですって。もちろん手織りよりは早いけれど、力織機としてはゆっくりのスピード。

そんな風に昔ながらの方法で織り続けている、伝統産業のもの。

そこに今の感覚を取り入れる柔軟さがあって、我々のココロをつかむ多様な配色の縞格子が生まれました。

バイタリティーあふれる印象の、臼井社長。

 

古いものを古いまま作るのではなくて

先人の技術を受け継ぎつつ、今の時代に求められるものをつくること。

おこがましくも、そういう事が「伝統」なんではないかしら、と思います。

そうやって、生きて続いている伊勢木綿は、古くさくない。

 

ただし(余談ですが)、伊勢木綿に限らず

昔ながらのものを昔ながらの技術で続けること自体、あちこちで難しくなってきている今です。

同じ材料が手に入らない、とか

分業のうちの一部分の工程を出来る人がいなくなった、とか

ほんの一部の工程で使う一つの道具がもう作られていない、とか…

そんな、我々には計り知れない部分での苦労を克服しながら、作り続けられているものだと思うと、日本の手仕事のものはじつに愛おしい。

高価ではないけれど、希少なもの。

 

そして最近思うには

伊勢木綿、あえて昔ながらのシックな配色がむしろ新鮮で素敵なんじゃないかしら、とも思います。

単に私の好みかもしれませんが(笑)。

可愛い色を着る楽しみももちろん

一方で

クラシックな配色の良さとか、渋いものの魅力とか。

 

そんなことをふまえて

今回のフェアで届くのは、ざっとこんな感じ!

一部ですが

クラシックな格子あり、POP可愛いもあり、シックで大胆もあり、ナチュラルあり。

縞と格子だけなのに、無限のバリエーション!

 

普段着だからこそ大胆な柄を楽しむのものよし

さりげなくシンプルに着るもよし

木綿という日常の素材だからこそ、そばにあって身近に楽しめるものとして、着ていただきたいと思います。

なんかそういうあったかさが木綿の着物にはあって、やっぱり私は木綿好きですね。

 

ちなみに

2年前のブログはこちら

伊勢木綿の織元さんへ行ってきました 前篇

伊勢木綿の織元さんへ行ってきました 後編

ワタクシの当時の感動が熱く伝わる駄文です。よろしければどうぞ。笑笑

 

また行きたいなー

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